Monday, June 13, 2022

台湾語の第一優勢腔とイギリス英語の並行性

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日本や台湾、韓国におけるイギリス英語は、台湾における台湾語第二優勢腔と並行しています(状況が似ています)。

歴史的背景から、第二次世界大戦後の日本や台湾、韓国の学校教育では、アメリカ英語が標準となっており、特に台湾と韓国では、イギリス英語の綴や発音は誤りとして減点の対象になります。

ところが、上記以外のアジア諸国では、学校教育で標準とされているのはイギリス英語であり、辞書や参考書も、もっぱらイギリス英語を正しいものとしています。グローバル化によって、東アジア3国でも、アメリカ・フィリピン以外のイギリス英語を標準とするアジア諸国との交流が増えたし、南アフリカやニュージランド出身の先生も少なくないので、イギリス英語も、それが通用している国から来た人が使っている場合は、なんとか許容されることが多くなってきました。特に、日本ではイギリス英語への許容度は割と高いようです。

一方、台湾語で、中華民国教育部が辞書や文法書、小学校教科書などで正書法としているのは、高雄、屏東、台東などで、泉州訛りと漳州訛りが混合し、どちらかというと漳州訛りに近い「台湾第一優勢腔(俗称南部訛り)」です。これは、伝統的には歌仔戯で使用され、今では北京語を母語とする若いテレビのアナウンサーが、台湾語で放送する前に訓練を受ける変種です。今、台湾で外国人が台湾語を学ぼうとすると、この第一優勢腔が教えられるのが普通だと思います。火鶏をhóe-keと、生をseⁿと発音する変種です。(なお、日本では、戦前からの台湾語研究の積み重ねにより、後述する第二優勢腔を採用する教材が多いようです。)

もう一つの第二優勢腔は、俗に「台北腔」とも呼ばれ、台北市中心部の旧市街のもともとの変種です。泉漳混合の中でもどちらかというと泉州寄りで、中国のアモイ市の変種とほぼ同じです。火鶏をhé-koeと、生をsiⁿと発音します。市街地の閩南人の混ざり方の比率がアモイと似ているのが一つ、そして英国人宣教師による長老教会の聖書がアモイ語を採用しており、日本時代からエリート層がアモイに留学することが多かったのももう一つの理由だと思います。

さて、イギリス英語と第二優勢腔の共通点です。まずひとつは、第二優勢腔は現在の台湾ではマイナーな変種だということです。教育部の辞書などは、一応両方の発音が出ていますが、教材の作成など、どちらかを選ばなければならないときは、必ず第一優勢腔が採用されます。外国人の台湾語にもこれを期待するようで、私は時々台湾人に「あなたの台湾語は台北訛りになってしまっている」と言われます。(もともと台北訛りであるにも関わらず。)

もう一つ似ているのが、アメリカも台湾南部も、広範囲で同じ変種(General Americanと第一優勢腔)が話されているのに対し、イギリスも台湾北部も、ちょっと移動すると全く異なる変種が話されているという点です。イギリスに方言がとても多いのは有名ですが、同じ台北盆地でも、市街地の北西のほうは同安訛り、士林の旧市街は漳州訛り、木柵のほうは安渓訛りなどと、狭い範囲でいろいろな訛りがあります。高雄から屏東、台東までほとんど訛りが変わらないのと対象的ですね。

台湾独立に傾いている思想からすると、なるべく中国とは遠い台湾独特の発音を標準として採用したいという思惑があるだろうし、またアメリカ英語のGeneral Americanのように、広い地理的範囲で平均化(コイネ化)して、癖のある発音がなくなっている変種が、標準化するには適している、という事情もあるようです。

私が今滞在している台北市で、ホテルの部屋を修繕している大工さんが、自分の家族と私語をするときは第二優勢腔だったのに、客と話をするときは突然第一優勢腔にスイッチしました。また、テレビの番組で、かなり強い泉州訛りがあるはずの鹿港の人でも、全国ネットにインタビューされると第一優勢腔にスイッチしています。これは完全に無意識だと思います。日本人が目上の人の前に出れば自然に敬語が出るのと同じです。すでに台湾人の意識の中に、「公共の場で台湾語を話す場合は第一優勢腔」という考えが、無意識にインプットされているのかもしれません。

 

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