Friday, August 4, 2023

マレーシア人の言語

 マレーシア人の半分以上はマレー人、残りは中華系、インド人、欧州系などです。一般人の感覚としては、ムスリムであればマレー人と認識されるようです。マレー人は主に田舎に多く住んでいて、大都市では中華系が多数です。

マレー人以外で、家でマレー語を話している人はほぼいません。それで、都市によって、主要な言語が違います。例えば、クアラルンプールの街なかで一番良く聞くのは広東語、ペナンでは福建語(台湾語とほぼ同じ)、シブでは福州語(福建語と全然違う)、コタキナバルでは客家語、という具合です。

例えばクアラルンプールでは、自分の家庭で話す言語が英語であれ、潮州語であれ、外で知らない人と話す場合は広東語で、となります。ただ、福州語や海南語など、割りとマイナーな言語がメインの都市では、若い世代を中心に、華語(北京語)で話していることが多くなっています。華語は学校の授業の媒介語だし、話し言葉と書き言葉が一致しているからです。

このような言語の違いを、一般のマレー人はあまり認識していません。「中国人だから、中国語で話しているんだろう」ぐらいに思っている人が多いようです。

なお、インド系の人たちは、特に都市部では、お隣のシンガポールのように、家庭でも英語を話している人が多いようです。

こういうのは、実際に行って聞かないと、本当のところはわかりません。アンケート調査などをしても、社会的通念や、ナショナリズムが暗に求める建前を答えてくることが多々あります。

ここまで書いたのは、話し言葉のことです。読み書きになると、中華系の場合、中国語学校出身の場合は中国語で、マレー語学校(旧英語学校)出身の場合は英語で、ということになります。プラナカンという、古くから現地化した少数の華人は、上の世代はもっとマレー語を使っていたようですが、今は英語がメインです。中華系で、読み書きはマレー語でするし、マレー語新聞をとっている、というマレーシア人を私はまだ見たことがありません。

そんなわけで、華語も広東語も、ひいては英語もマレーシアの公用語ではありませんが、マレーシア人同士でこれらを使って話しているのは普通です。言語的には、マレー語のマレーシアとそれ以外のマレーシアが、同じ国土に共存しているような感じです。

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